教えてウエダ家さん!手軽にはじめるおうち天然酵母

教えてウエダ家さん!手軽にはじめるおうち天然酵母

素材をもっとおいしくする天然酵母

パンでおなじみの天然酵母。こちらを自宅で手作りしませんか?自家製の天然酵母作りは面白い!そしておいしい!そんな天然酵母の楽しみ方を、酵母料理を開発しているウエダ家のみなさんに教えていただきました。

●天然酵母の魅力

デザインの仕事で偶然知ることとなった天然酵母パンのおいしさに驚き、パンをおいしくしている天然酵母って何だ?と疑問をもったことから、天然酵母を自宅 で作り始め、その魅力にはまっていったというウエダ家のみなさん。その魅力は、何よりおいしい!そして、カラダを守り育んでくれるところ。

「パンがこんなにおいしくなるんだから、飲んでもおいしいはずだと自宅のビンで作った天然酵母を飲んでみたら凄くおいしくて。それから料理に使ったり、いろいろな食材で酵母を作ったりとすっかり酵母三昧に。天然酵母を使うと食材はもちろん料理が本当においしくなるんです」

ふとしたきっかけから酵母研究をスタートし、自宅で安全に天然酵母を育てる方法を生み出したみなさん。その方法は、至ってシンプルなのに、摩訶不思議。そこには、私たちの目に見えない微生物が生み出した自然界のバランスが成り立っているのです。初心者にぴったりの旬のフルーツや野菜を使った天然酵母の育て方をご紹介します。

【水を使った酵母の育て方】

材料

旬のフルーツまたは野菜(なるべく無農薬・低農薬のもの)
蓋付きのガラス瓶(密閉性の高いスクリュータイプのもの)
水(ペットボトルの水よりも勢いよく流れる水を使う、水道水は浄水器に通したものを)

最適な素材

リンゴ(ビギナー向け:まずはこちらに挑戦)、ぶどう、梅、梨、ハーブ、洋梨、柑橘、トマト、昆布(素材をそのまま使う)しょうが、タマネギ(すりおろしたもの)

▼ビンに詰める
煮沸消毒したビンに新鮮な素材をたっぷり入れ、あふれるほど水を注いで空気を遮断。蓋はしっかりしめて密封する。

▼冷蔵庫に入れる
冷蔵庫に3日?7日間程度保存 低温に強い植物性乳酸菌が増え雑菌を退治。

▼常温に戻す

すぐに蓋をあけず、約2日後素材の表面に気泡がみえるころ蓋を開ける。その後1日1回は蓋を開け様子をみる。
→使い時:ドリンクやスイーツにぴったり。乳酸独特の甘酸っぱい香り。

▼ビンがシュワシュワ泡立つ
ビンからあふれるほどシュワシュワすれば酵母が最も元気に働いているとき。
→使い時:発酵力が強いのでパンや料理に使い時。炭酸ガスが発生し、うまみは最高潮!

▼再び冷蔵庫にストック
酵母のおいしさをできるだけ長く味わうためにシュワシュワしたらビンごと再び冷蔵庫へ。ゆっくりと熟成され柔和なうまみに変化。料理に長く使えます。

▼酵母酢にする
酵母がエサを食べ尽くすと、酵母が生み出したアルコールをエサにする酢酸が育つ。素材を取り出し、冷蔵庫で熟成させればまろやかな酵母酢に。

※酵母は必ずウエダ家の方法にしたがって育ててください。いやな匂いがしたり、白い羽毛のようなカビが生えている時は捨ててください。また、利用時の体調に個人差があるため、様子を見ながらご自分の責任でご利用ください。

 

●素材をもっとおいしくする天然酵母

「通常料理というのは、レシピに基づいて目標をもって作られるので、ある程度は味の想像がつきますよね。しかし、酵母を使うとその想像を超えてしまう!自然の菌の働きが思いもよらないおいしさを生み出してしまうんです」

酵母が料理長として、素材のコク、うまみを引き出し、深さをもたらしてくれる。だから、そのために安全で良質な酵母を育てることが大切なのです。

天然酵母を料理に使うと…

野菜:酵母が野菜特有のにがみ、クセのある強い香りなどを消し、まろやかにしてくれる。野菜嫌いの人、野菜が苦手な子供、カラダの弱い方にも食べられるように。

魚:酵母液につけ込めば、臭みをとり、柔らかく、うまみを引き出す。酵母が環境ホルモンなど有害な物質を分解してくれる。

肉:臭みをとり、柔らかく、うまみを引き出す。

point

ビールに漬ける、お酒に漬けるなどの料理の下ごしらえは、実は酵母のチカラで素材の臭みをとったり、柔らかくしてくれたりしていたのです!

●秋の味覚をおいしい天然酵母に

天然酵母はその酵母液を料理に使ったり、直接飲んだり、使い方は自由。また素材によって、熟成の度合いによってさまざまな味わいが楽しめます。秋は、天然 酵母作りに最適なフルーツが豊富。そして気温も高すぎず低すぎず酵母を育てるのにちょうどよい季節。旬のフルーツを使って不思議な酵母のおいしさを体験し てみては。

<フレッシュな旬の素材を使おう>

ビギナー向け:リンゴ
秋:ぶどう、梨、柿
年間:米、昆布、ハーブ(ローズマリー、ラベンダーなど)

●広がる天然酵母の魅力

食べ物としてだけなく、実は暮らしの中でも酵母などの人にとって有用な菌はなくてはならないもの。「人にとって有用な菌が住みやすい空間、菌と共存できる空間」=「生き物すべてにとって過ごしやすい環境」。彼らは、化学物質など自然界に不要なものを分解し、空気を浄化してくれます。

「今後は、よい菌が住みやすい部屋作り、シックハウス対策などを目指し、菌と共存し、菌が支えてくれる住環境づくりにも視野を広げていきます」


また、食べ物の分野では、もっと日本各地に伝わる発酵文化を極めて、将来的には世界に伝えていきたいというウエダ家のみなさん。「日々研究の毎日です」と 語るその姿に、酵母の不思議な魅力を感じ取りました。見えないけれど私たちにとってなくてはならない存在である酵母に愛おしさを感じ、まずは、そのおいしさを味わいたい!じゃあ、作ってみよう!と、思わずにはいられません。

COBO Lab./ウエダ家
【URL】http://cobo-net.com/
東横線 都立大学駅から約10分の拠点にCOBO Lab.を構える。COBO講座、開講中!

【ウエダ家プロフィール】 植田遊、好、亜弥、道子、夏雄の家族からはじまったプロジェクト。ビンの中に旬の野菜やくだものを入れ、誰もが野生の菌を育て、共に生きる知恵を身につけるCOBO活動を通して社会デザインに取り組んでいる。私たちの食、生活、環境は目に見えない菌によって支えられ、生きものすべてのつながりは野生の乳酸 菌や酵母が媒介役を担っていることを日々のごはんやパンをつくることから学ぶ。 ★東横線 都立大学駅から約10分の拠点にCOBO Lab.研究室 COBO講座、開講中! 『酵母ごはん』他著書多数。 http://cobo-net.com/
酵母が一番活発な状態! うまみもピークに
新鮮でパワーのある素材からよい酵母は育つ!
ウエダ家には酵母専用の冷蔵庫があり、さまざまな種類&状態の天然酵母が育っているそう。その数常時30~40ビンというのだから凄い!
目にもおいしい酵母料理の数々

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